(レッドイーグルス北海道)Rookies #6 大久保雅斗選手
Rookies #6 大久保雅斗選手
今回は、アジアリーグ開幕直後に連続ゴールを決め、チームに流れを呼び込んだ FW #17 大久保雅斗選手が登場。低い姿勢からしなやかに入るフェイスオフが目を引く大久保選手に、シーズン前半の手応えと、今後の目標を語ってもらいました。

――シーズンも半分を過ぎました。ここまでの手応えはいかがですか?
シーズン序盤は得点が続き、勢いに乗れていたと思います。ただ、そこからはゴールもアシストも思うように伸びず、自分では満足できる結果ではありません。11月の東北フリーブレイズ戦で7試合ぶりくらいにアシストを記録できましたが、もっと数字を残したかったです。
――デビュー2戦目から3試合連続でゴールを決めましたが、その時の気持ちを教えてください。
PP(パワープレー)で使ってもらったチャンスをしっかり決められ、確かな手応えを感じました。デビュー戦は、わくわくと緊張が混ざったような気持ちで、自分がどれくらい通用するのか手探りの部分もありました。だからこそ、2試合目からゴールできたことは自信につながりました。
――開幕当初と比べて、何か変わったと思う部分はありますか?
チャンスはあるのに、あと一歩で結果につなげられない状況が続いていて、そこが今一番の課題だと感じています。プレー自体は特に変わっていませんが、決めるべきタイミングで得点できていないのが現状です。神戸スターズ戦を含め、チャンスはあったので、そうした機会を確実にものにしていきたいです。
――プロの世界に入って通用していると感じる部分や、逆にもっと磨きたい部分は?
スピードに関しては、プロの舞台でも通用している手応えがあります。ただ、自分はセンターなので守りの場面も多く、コーナーでのバトルや対人の強さはまだ足りないと感じています。DFとの連携も含め、攻守どちらでもバトルでしっかり勝ち切れるよう、もっと力をつけていきたいです。
――大久保選手といえば、重心の低いフェイスオフが持ち味ですが、今のスタイルはいつ頃から身についたのですか?
最初はみんなとあまり変わらない高さでしたが、大学時代にフェイスオフで勝てない時があり、チーム内で話し合った結果、「少し低くしてみよう」となりました。今の形になったのは大学2年生頃で、それ以降大きな変化はありません。フェイスオフに入る前は、相手やスティックの置き方を見ながら、『じゃあこう置いて取る』とイメージし、相手の動きを予測しつつ、スティックの角度も調整しています。
――フェイスオフで相手に差をつけられるポイント、大切にしている点は?
自分の感覚では、低い姿勢のほうがパックが落ちた瞬間に反応しやすく、相手より先に動けるんです。この感覚から、今のスタイルに行き着きました。ただ、入りに時間をかけすぎると審判にアドバンテージを取られてしまうので、その点は気をつけています。あの入り方で自分のリズムを整えているので、ルーティーンというほどではありませんが、そこは大事にしています。

柔らかな表情でインタビューに応じる大久保選手。甘いものは苦手ですが、お酒は「めっちゃ飲みます!」とのこと。
ビールやハイボールが好きで、日本酒は甘口派。辛口はまだ少し苦手だそうです。
――では改めて、アイスホッケーを始めたきっかけを教えてください。
幼馴染みの鈴木富士選手(現 North Iowa Bulls (NAHL)所属)に誘われて、小学校2年生の時にアイスホッケーのクラブチームに入りました。それまではずっとサッカーをやっていて、サッカー選手に憧れていたんです。父もホッケーをやっていたので、ホッケーは身近なスポーツではありましたが、自分が始めたのは友達から「一緒にやってみない?」と声をかけられたのがきっかけです。
――プロアイスホッケー選手、指導者として多くの実績を持つ父・智仁さんから受けた影響は?
父には昔から「自分のやりたいことをやりなさい」と言われていて、無理にホッケーを勧められたことは一度もありません。クラブチームに入って自分が上達してきた頃から、試合を見て「こう動いてみたら?」とアドバイスをくれるようになりました。今でも試合のたびに的確なアドバイスをくれるので、本当に心強く感じています。自分もアジアリーグでプレーするようになり、父の経験の大きさを実感していますし、視点がまったく違うので、自分の成長に直結することばかりです。
――今年11月に開催されたアジア選手権でも日本代表に選出されましたが、これまでの代表活動を通して学んだことは?
初めて代表に入った頃は、戦術も含めて分からないことばかりでした。年代別代表で経験を積む中で、先輩や同年代、年下のうまい選手と一緒にプレーすることで、戦術面だけでなくプレーの細かい部分も学べました。さまざまな選手の動きを見て吸収できることが多く、着実に自分の成長につながったと感じています。
――レッドイーグルス北海道への入団を決めた理由と、実際に入ってからの感想を教えてください。
練習に参加した時に、プレーの質やチームの雰囲気の良さに触れ、自分がさらに成長するにはこの環境が一番だと考えました。練習でもパスやレシーブのミスがほとんどなく、基礎レベルの高さがよく分かります。さらに、動きだけでなくホッケーIQの高い選手ばかりで、『この中でやりたい』と思えたのが決め手となりました。実際に入ってからも、トレーニングの質は変わらず、細部まで丁寧にプレーする姿から刺激を受けています。自分はまだ5対5での判断や連動した動きが十分ではないため、判断のスピードやホッケーの理解度をもっと磨いていきたいです。
――今期の個人的な目標は?
ルーキーとして、新人王は狙いたい気持ちです。最近はあまりポイントが取れていなかったため、1試合1ポイントを目安に、これから着実に積み重ねていきたいです。試合では、どれだけパフォーマンスを発揮できるかを常に意識しながらプレーしていて、それがポイントにつながればと思っています。
――最後にワシスタントへのメッセージをお願いします。
シーズン後半も精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします。試合ではフェイスオフも含め、ひとつひとつのプレーにもぜひ注目してください。
【プロフィール】 大久保雅斗(おおくぼ・まさと)
生年月日:2002年8月1日 血液型:B型
青森県八戸市出身(八戸市立新井田小学校→八戸市立戸市立第二中学校→駒大苫小牧高校→東洋大学)
レッドイーグルス北海道公式サイト:Rookies #6 大久保雅斗選手