(レッドイーグルス北海道)2025-2026シーズンを振り返る(佐々木一正)

2025-2026シーズンを振り返る(佐々木一正)

プロ18年目、通算500試合出場という節目を迎えた #88 DF佐々木一正選手。守備の要として長年チームを支え続けてきたベテランの視点から、14年ぶりの優勝と2冠達成の背景、そして18年間積み重ねてきた自身の歩みについて振り返ってもらいました。

――まずは、あの歓喜の瞬間についてうかがいます。優勝が決まった時の率直な気持ちを教えてください。

正直なところ、喜びよりも安堵の気持ちのほうが強かったですね。ここ数年、惜しいところまで行きながら勝ちきれない時期が続いていて、皆さんにもそういう印象を持たれていたと思います。ようやくそれを払拭できたという安心感が、何より大きかったです。もちろん、簡単に勝てるとは思っていませんが、チャンスをつかみかけながら逃してきた年が多かった分、『やっとだな』という思いが込み上げました。

――佐々木選手にとっては14年ぶり2度目の優勝ですが、前回と比べて感じ方に違いはありますか?

前回はまだ3、4年目の若手で、先輩たちが作った流れに乗って手にしたタイトルでした。今は年齢的にも上になり、チームを引っ張っていかなければいけない立場です。その中で自分の実力を出し切り、すべてを懸けて勝ち取ったという実感があるので、今回のほうがより喜びを深く感じています。

――2008年からプロとして歩み始めて18年目のシーズンが終わりました。これほど長く第一線でプレーを続けられている秘訣は何でしょうか? 

日々自分の体と向き合い、その時のコンディションに合わせて練習内容を調整しています。実は入団当初は体重が70kgもなく、当たり負けするほど細身でした。『このままでは出番がないまま終わる』という危機感から、最初の2、3年で徹底的に戦える体を作り上げました。若い頃からいろいろ試してきたことで、年数を重ねるごとに体調管理もしやすくなり、ケガも減りました。また、長く現役を続けられているのは、家族の食事面でのサポートもとても大きいです。

――3月15日のレギュラーリーグ最終戦で、 通算500試合出場を達成されました。この数字についてはどう捉えていますか?

試合数自体を大きく意識したことはないのですが、一戦一戦全力で取り組み、ケガもありながらここまで辿り着けたのは素直に嬉しいです。自分一人では決して達成できなかった数字なので、支えてくださった皆さんに感謝しています。誰にでも経験できることではないと思うので、誇りに感じています。

――今シーズン、接戦を勝ち抜いて2冠を取れた一番の理由は何だと考えていますか?

一人ひとりが自分の役割を理解していたことが大きいと思います。攻める選手もいれば、僕のように守る役割の選手もいる。それを23人全員が理解し、遂行できていたことがチームの一体感につながり、誰かの調子が悪くても全員でカバーし合える強さも生まれました。今シーズンは常に落ち着いて戦えていたというか、全員がやるべきことに徹している雰囲気があり、それが接戦を勝ち切れた一番の要因だと感じています。

――それはシーズン当初から感じていたことですか?

監督やコーチから夏の段階で方向性が示されていて、それに従って取り組む中で、各自が自分の役割を見つけていった感覚です。うまくいかない時期もありましたが、全日本選手権で優勝したあたりから『こうやれば勝てるんだ』という手応えを感じ始めました。2月末のHLアニャン戦で連勝した頃には、チーム全体が『今年はこうやれば負けない』という自信をつかんでいたと思います。

――新加入選手の存在も大きかったですか?

中島照人(#22)や磯谷奏汰(#14)が、これまで足りなかった『負けん気』や『がむしゃらさ』などの戦う姿勢を持ってきてくれました。うちのチームは「きれいなホッケー」と言われることもありますが、彼らが泥臭く突っ込んでいく姿を見せることで、周りの意識も変わっていった。それが競り合いやパックへの反応の良さにつながったと感じています。

いつもクールな佐々木選手ですが、チームの士気を高めるために猪木さんのモノマネを披露したという意外なエピソードも。「結果が出なければただ恥ずかしかっただけ」と笑いますが、そうした姿勢が今季の明るい雰囲気を作っていったのかもしれません。

――シュートブロックが佐々木選手の代名詞とも言われますが、あの瞬間に迷いはないのでしょうか?
また、プレーオフファイナルでの鼻の負傷についても教えてください。

若い頃は迷いもありましたが、今は全くありません。体を張って一本でもシュートを防げれば失点は減りますし、それが自分に求められている役割だと理解しています。ファイナルで顔面にパックが当たった瞬間、折れた感覚はありましたが、倒れながら『鼻なら出血を止めればまだ戦える』と思っていました。もし目や歯であれば厳しかったはずですが、自分の感覚ではプレーを中断するほどのケガではありませんでした。
キャリア終盤ということもあり、あの舞台にあと何回立てるか分からない。1、2シフトは飛ばしたものの、その後はガーゼを詰めてリンクへ戻りました。これくらいのケガで下がるという選択肢は、自分の中にはなかったです。

――DFとして今シーズン徹底していたこと、また常に冷静に見えるメンタル面についても教えてください。

僕に求められているのはオフェンスではなく守備。その中で意識しているのは『相手にとって嫌なプレーヤー』でいることです。多少ラフな場面もありますが、『こいつが出てきたら嫌だな』と感じさせられるような守りをずっと徹底してきました。
また、リンク上では一喜一憂せず、常にメンタルをフラットに保つことも大切にしています。キャリア4年目で世界選手権に出場した際、当時コーチだった若林クリスさん(現・東北フリーブレイズ監督)から、「自信のなさを態度に出しちゃダメだよ」とアドバイスを受けた時に、見ている人はしっかり見ているんだな、と気づかされました。それ以来、ミスをしてもネガティブな感情を引きずらず、すぐに切り替えることを心がけています。リンクに立っている間は常に自信を持っていてほしいので、これは若い選手たちにもよく伝えています。

――来季は創部100周年。個人としてさらに強化したい課題はありますか?

正直、今から能力が飛躍的に上がる年齢ではないと思います。でも、落ちていく年齢だとも決めつけたくはありません。自分の体にも、周りとの競争にも負けないように、すべてに抗っていきたい。まだ上達できるという気持ちが大事だと思っています。特定のスキルというより、その『負けん気』を忘れずに来季も頑張りたいですね。

――最後に、1年間応援してくれたワシスタントの皆さんへメッセージをお願いします。

ホームでも遠征先でも、皆さんの歓声が力になりました。優勝が決まった瞬間、リンクから皆さんが喜んでいる姿を見て、スポーツ選手冥利に尽きると心から感じました。今年は2冠という結果で少し恩返しができたと思いますが、それも皆さんが一緒に戦ってくれたおかげです。本当にありがとうございました。

 

 

佐々木 一正(ささき ・かずまさ)
生年月日:1989年11月12日
血液型:A型
苫小牧市出身/北海道栄高等学校


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